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揺れる炎と猫の像、長岡市栃尾にある南部神社の百八灯に行ってみた

 猫の像があることでも知られる新潟県長岡市栃尾の「南部神社」。ここで毎年5月8日に行われている万灯供養「百八灯」を見に行ってきました。

 見に行ったのは2011年のこと。今年の5月8日を前に滑り込みアップ!揺らめく無数の炎に誘われて。

百八灯
2011年の百八灯の様子。

 毎年5月8日に行われている「南部神社」の「百八灯」。「南部神社」は別名「猫又権現」とも呼ばれており、境内に猫の像・狛犬ならぬ狛猫(?)が祀られていることでもちょっと有名です。

森上にある南部神社は別名猫又権現と言います。猫又とは年老いた猫が化けて妖怪になったものです。猫又権現は蚕(カイコ)をかじるネズミ除けの神様として祀られ、境内には狛犬ならぬも狛猫で有名です。
 栃尾は周囲を山に囲まれ、風が弱く湿度があり養蚕に適した土地が多く、古くは栃尾紬などの絹織物、高度成長期には織物の産地として発展してきました。養蚕が盛んな地ならではの、生活に根差した信仰と言えます。
栃尾観光協会-百八灯(南部神社)

 猫の像は栃尾の舞台に撮影された映画「モノクロームの少女」にも登場。この猫さんをプッシュしたらもっと人気が出るんじゃないかと思うこの神社、とりあえず今回は百八灯を中心に書いて行きたいと思います。(あとで猫の像もちゃんと出てくるよ!)

百八灯

 百八灯の開催時間は19時頃から21時頃まで。まだ少しだけ明るさの残る空の下、暗く黒い森の中に炎に照らされた階段が一筋の光のように浮かび上がります。

百八灯
南部山と書かれた石碑

 地元の方による交通誘導で近くに車を停め、神社の方へ。ロウソクの明かりに照らされた「南部山」と書かれた石碑と鳥居。

百八灯
ロウソクは10本で300円。

 石段の下でロウソクが販売されていました。神社への奉納の意味を込めて、そしてせっかく来たんだから参加しちゃおうというわけでロウソクを購入。

 一束10本なので2人で5本ずつ分ければいいかなーと思っていたのですが、販売担当のおっちゃんのすすめで気付けば2束購入する流れに。
 おっちゃん商売じょうz、、地域の方の信仰心の厚さを垣間見ることができました。

百八灯
ただのロウソクジャナイ。

 ロウソクは地面に刺さりやすいように竹串が付けてあります。

百八灯

 間隔が空いている所やロウソクが短くなっている所を見つけたら、火を付けて地面にサクッと差していきます。

百八灯

 風が強い年は火が消えてしまうこともあるので、消えているロウソクを見つけたらそっと点火を。地元の人は馴れた手つきで火を付けて行きます。厳粛な雰囲気ではなく、子ども達も楽しんで参加している感じです。

 それでは、神社の石段を登っていってみます。

百八灯
この神社の特徴かも?

 石段は中腹でかぎの手に曲がっています。こういうのはあまり見ない気が。

百八灯
石段の中腹から見下ろした図。

 頂上にある神社への参拝を終えて帰る人、これから参拝に向かう人。季節は全く違いますが、二年参りを連想したり。

百八灯
頂上から見下ろした図。

 赤い鳥居をくぐって頂上に到着。

百八灯
途切れることなく社殿まで続くロウソク。そしてぼんやりと闇に浮かぶものが。

 石段を登り切った所に南部神社の社殿があります。こちらにも是非参拝を。

百八灯
狛犬もいます。

 暗いので見えにくいですが、彫刻も立派です。百八灯の時だけでなく、明るいときに行くのもおすすめ。

 そしてこの社殿の手前、向かって左側に猫の像があります。どーんと。

百八灯
なかなか味のある顔つき。

 こちらが猫又権現と呼ばれる由来であり、そして猫の狛犬とも言われる猫の像。「狛犬」ならぬ「狛猫」とも呼ばれていますが、像は1体だけです。(もう1体あるのかとじつはちょっと探した。)

百八灯
フラッシュをたいて撮るとこうなる。

 以前来たときに地元の方に聞いた話なのですが、猫の像は2004年に起こった中越地震の時に台座から落ちてしまい、耳が折れてしまったとのこと。そう、一時はドラえもん状態に。
 現在は修復され、台座にのった姿を見ることができますが、耳には修復した跡が残っています。こうやって歴史ができていくんですねぇ。

 猫に因んでか、昔はお賽銭代わりに身欠きニシンが投げ込まれていたこともあったとか。そんな感じで地元の方がいろいろと教えてくれました。こうやってその地に住む人とする会話は、どこにも載っていないことを知ることができていいですね。話しかけてくれた方、ありがとうございました!(カメラを持っていると話しかけられる確率高し。)

百八灯
猫の像のまわりにもロウソク。

 こちらの猫の像も明るいときに見に行くのも良さそうです。猫の前足の上にしっぽが乗っているのがたまらない。かわゆい。

そんな感じの百八灯

百八灯
三脚をたてて頑張って撮った1枚。

 百八灯。読みは「ひゃくやっとう」で良いようです。「ひゃくはっとう」かと思ったぜ。。
 あまり知られていないように思う百八灯ですが、観光バスで見学にくる団体も時々いるとか。屋台等も出ない小さなお祭りですが、非日常的な光景を見ることができ、そして参加することもできるいい行事。気になった方は是非一度行ってみると良いと思います。8月の「石積み」とともにicoroオススメの栃尾イベント。

 駐車場はないのですが、道路の路肩の空いている所に地元の方が誘導してくれるので車で行っても問題なかったです。むしろ公共交通機関で行くと帰ってこれないので車で行くしかないわけで。。大人数で行く場合は乗り合わせて行くと良いかも知れません。
 注意点としては足下に火がある所を歩くので、フレアタイプのロングスカートみたいなひらひらーんな服装だと非常に危険です。動きやすい服装で行きましょう。

百八灯
闇夜に浮かぶ猫の像。

 これからも是非残していって欲しい風習。参加している人も多く、そしてみんな楽しんでいる様子だったので、これからもきっと受け継がれていくに違いありません。やはり楽しめるというのは大事ですね。
 そして猫の像は知られれば絶対に人気が出るはず。(猫の像は猫又さんと呼べばいいのか?とりあえず猫又さんとしよう。)猫又さんをよく見るには昼間の方がいいと思うので、百八灯以外の日に行っても楽しめる神社だと思います。猫又さんかわゆいよ。御利益がありそうな顔つきだよ。今度行ったら建立年とか掘ってある情報をチェックしてこよう。

 そんな感じの百八灯、毎年5月8日の夜に開催です、ではみんな!5月8日に南部神社で会おう!

南部神社(別名:猫又権現)

所在地新潟県長岡市森上 (旧栃尾市)
百八灯毎年5月8日の夜に開催

参考サイト

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