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雪の真福寺で木喰の仁王像に出会った

Date 2012/04/11 11:52  Modified date 2016/05/10 Author Yutaka  Tags 仏像 行ってみた

 これが「寒の戻り」というものでしょうか。4月に入ったというのに雪がちらつく……どころか、積もっちゃったりする今日この頃。まるで12月頃に戻ったような錯覚すら覚えたりします。
 そして、雪の中の仁王様を思い出すのであります。

真福寺の仁王像

 以前、「icoro」とかいう最高にイケてるあのブログで「icoro : 新潟で見ておきたい4組の仁王」なんて記事が上がっていたのを覚えている方もあるかと思います。
 そんなのを見て「仁王様巡りくらいなら確かに気軽にやれるかもしれんね」なんて思って出かけたわけですが、その結果……

真福寺の仁王像

 このざまですよ。

 時は1月の下旬。カーナビは冬期通行止め区間を迂回するルートを表示してるけれども、いやいやむしろそのルートの方が雪に埋まってんだろ。ってことで、冬期通行止めらしい、しかし、キレイに除雪されている道を通って真福寺に到着。
 雪深い長岡の中でもさらに雪深い小国ということで「いけるか?」なんて心配もしていたのですが、思ったよりも簡単にたどり着くことが出来ました。寺に繋がる道はちょっと難易度高かったけれど。

真福寺の仁王像
真福寺の本堂に繋がる道。この200mくらいの道が一番難易度高かった。

 そもそも午後のお寺というのは静かなものかもしれませんが、それにしてもこの日は静かでした。車庫が全開だったので、どうやらお寺の人はどこかに出かけていたみたいです。葬式か法事か、はたまたただの外出か。
 そして、本堂らしき建物の反対側に、目的の仁王様のいる山門らしき建物がありました。きれいに雪の中だけれども。

真福寺の仁王像
到着。もしかしたら駐車場があるのかもしれませんが、地面が雪ですっかり覆われてなんだか分からなかったので、邪魔にならないところに適当に駐めさせてもらいました。
真福寺の仁王像
仁王様がいる山門と思われる建物。「なんだわりといけそうじゃん」なんて思った人は雪国素人。実際には結構雪が深いことを雪国に生きる俺は知っている。

 この時期にそんなに人は来そうもないし、雪で埋まってることはある程度覚悟していたのですが、予想通り、山門までの道は雪で埋まっていたのでした。まあここまで来たら行くわけですけれども。

真福寺の仁王像

 で、こうなった。

真福寺の仁王像
ときどき木の上からさらさら落ちてくる雪は、腐海の底を連想させます。
真福寺の仁王像
先客の足跡。

 さて、仁王像と言えば、これでもかと鍛え上げられた筋肉美が魅力ですが、真福寺の仁王像はそれにくらべるとかなりコミカルです。
 こちらの仁王像についてはやまざきさんの解説を参照のこと。

 こちらにいる仁王さんは、木喰(もくじき)作の高さ2mを超える仁王。木喰とは江戸時代に日本各地を巡りながら多くの仏像を残した遊行僧(ゆうぎょうそう)。新潟には数多くの木喰仏が残されているのですが、この真福寺の仁王は新潟では唯一の木喰仁王像。
 木喰仏の特徴は、微笑仏(みしょうぶつ)とも呼ばれるとおり柔和な笑顔を浮かべた丸く、温かなイメージ。この仁王像にもその特徴がいかんなく発揮されてます。
icoro : 新潟で見ておきたい4組の仁王

 何年か前に新潟県立近代美術館で行われていた木喰仏展にも行ったことがあります。アルカイックともまた違うような、なにかもっと心からにじみ出るような微笑みをたたえる木喰仏を見ながら「これを彫った人は一体何を悟ったのだろうか」と思ったりしたものです。そしてまた、そんな疑問すらも微笑みに覆われてしまうのです。

真福寺の仁王像
仁王様がいる山門。晴れているとはいえ、中は冬囲いのために暗く、写真を撮るにはちょっと厳しい。。
真福寺の仁王像
左の阿形(あぎょう)像。笑ってるおっさんです。
真福寺の仁王像
そうなるとこちらも吹き出す5秒前にしか思えなくなる吽形(うんぎょう)像。
真福寺の仁王像
よくみると金剛杵も持っているようです。中指(?)でちょいと引っかけてる感じ。

 天井絵や大草履もあり、地域に深く根ざしたお寺であることを感じます。

真福寺の仁王像
見上げると、絵や書などの書かれたさまざまな天井絵がありました。
真福寺の仁王像
健脚・健康祈願の大草履。
真福寺の仁王像
仁王様がいつも見ている山門からの眺め。複数枚の写真を合成してパノラマにしたので、ちょっと変なとこがあるのはご愛敬。

 雪深いとはいえ、この日は長岡にしては珍しい冬の晴天でした。雪に埋もれた山門でこんなふうに静謐な時間を過ごす事が出来るのは、地元に住んでいる人間だからこそだと思います。
 ただ、今回は冬囲いのため、中が暗くてよく見えなかったりしたところもあったので、今度は雪のない時期に訪れてみたいですね。ついでに言うと、本堂もがっちり冬囲いされていて賽銭が投げられなかった。。

参考

木喰―庶民信仰の微笑仏 生誕二九〇年

  • 出版社:東方出版 ( 2007-12-15 )
  • 大型本:227 ページ
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