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寺泊に漂着したミンククジラを見に行ってみた

Date 2012/01/21 16:40  Modified date 2016/05/10 Author Yutaka  Tags 新潟生活 行ってみた
寺泊に漂着したクジラ

 寺泊にクジラが漂着しているというタレコミを頂き、ちょっと気になっちゃった感じだったので見てきました。なんかでけぇし、なんかくせぇし。

 タレコミを頂いたのは、世の中がまだお正月ムードから冷め切れていない1月5日のこと。icoroの数ある信頼筋のひとつから「寺泊大和田レストランキンタ前の海岸にクジラが打ち寄せられてる」とのメールが。これはいくしかない! しかし、今日は別件が入っていてもう動けない……でも気になる……
 そんなわけで、仕事が終わった夜中にこっそりと(こっそりする必要も無いのですが)偵察に向かったのでした。

 時間は22:00頃。勢いで来てみたはいいものの、夜の海岸は存外暗い。。海岸沿いは街灯がぽつんと一つ、頼りなさげに道路を照らしているだけ。ただでさえ暗い中、道路からは海岸も見えず、この状況下でクジラを確認するのは難しくないか?

 ややあきらめ混じりで海岸を流していたところ、ふと目に入ってきた月明かりに浮かぶ重機のアーム。
 この時期に海岸に重機を入れる理由って何だ? そういえば、Twitter界隈で聞いた話では、クジラは埋められるとか。そういえば、さっきからなんか車内に臭い入ってきてないか? これ……クジラか?(それとも、お前、なんか踏んだか?)

 重機が置いてあった場所近くに車を停め、外に出てみると、ザリガニ水槽のような臭いが風に乗ってしてきます。そして、重機の向こう側に黒い影が横たわっているのが見えました。

 これやっぱ、埋められる前に確認しなきゃだろ。

打ち上げられたミンククジラ

 埋められるのは早くても明日の9時以降だろうと踏んで、朝のうちに確認することにしました。

寺泊に漂着したクジラ

 時間は7:00頃。日の出を迎えたばかりの海岸に、昨晩と同じ形で重機のオレンジ色のアームがありました。風向きが海側を向いているのか、昨晩ほど臭いはしてきません。

寺泊に漂着したクジラ

 昨晩は黒い影にしか見えなかったクジラと思われる物体も、同じ形でそこに横たわっていました。夜の月明かりの下では神秘的で抽象的にすら思えたクジラですが、陽の光の下ではいくらかその神秘性を失い、その分、リアリティを増したようにも見えます。

 まだ朝が早いにもかかわらず、すでにクジラを見に来た人が幾人かいました。自分達がクジラを見ている間も何台か車が来て、何人かの人がクジラを見たり写真に納めたりしていきました。子供を連れてきてる人もいましたが、臭いはするし、絵本や図鑑のそれと違って結構グロいし、軽くトラウマになるんじゃなかろうかと心配になってみたり。。

寺泊に漂着したクジラ

 昨日もクジラを見たという人の話によると、昨日の時点ではクジラは波打ち際に横たわっていたとか。昨日のうちに現在の場所まで重機で引きずられてきたようです。
 無機的な重機と有機的なクジラが縄一本で繋がっている光景に、何とも言えないクリアな感覚を覚えたり。

寺泊に漂着したクジラ

 お腹のあたりが破裂しそうなくらいパンパンになっているのは、おそらく、胃の内容物が発酵して膨らんでるからじゃないかと思います。
 近づくと臭いの印象はよりダイレクトに。例えるなら、シュールストレミングの臭いに、アクセントとして腐った金属の臭いを混ぜたような臭いです。シュール臭は胃の内容物に、金属臭はクジラの血に、それぞれ由来してるのかも。

寺泊に漂着したクジラ

 喉から腹にかけて畝(うね)があるのはナガスクジラ科のクジラ。鋳造したかのようなキレイな畝が入っています。膨らんでる感じとか、バランスボールみたい。。思わず触って確かめたくなりますが、どういう死骸なのかもよく分からないので我慢。
 こんだけ写真撮っておいてなんだけれども、こういう死因の分からない生物の死骸にむやみに近づいたり、ましてや触ったりしちゃダメよ。

寺泊に漂着したクジラ

 このクジラはナガスクジラ科ナガスクジラ属のミンククジラ(コイワシクジラ)のようです。大きさは歩測で6mくらいでした。
 クジラ関係ないですが、自分の歩幅や手のひらの長さなどを知っておくと、メジャーがなくてもだいたいの長さが分かるので便利です。

寺泊に漂着したクジラ

 ただの生物の死骸でしかないのですが、この巨体を前にしていると、その臭いすら何か神聖な気すらしてきます。「鯨塚」とか立てたくなっちゃう気持ちも分からないでもないです。
 この辺でもかつてはこんなふうに浜に上がったり近づいたりしたクジラを捕まえて、油をとったり、食べたりしていたそうです。「鯨塚」はそうした鯨を供養したもの。
 どうでもいいですが、文化も解さずに鯨を食べるのはかわいそうだ野蛮だとか言うエセ哲学者や擬似科学者は、もう水と塩だけで生活すれば良いと思うの。

寺泊に漂着したクジラ

 クジラはこの日の午後に海岸に埋められたそうです。

 せっかくだし、骨格標本でも作ったら良いんじゃないかとも思ったのですが、これだけ巨大で半ば腐った死骸を解体するのも大変そうですし(死因もよく分からないし)、かといって完全に腐らせて骨だけ取り出すってのも時間がかかりそう。テレビのサスペンスドラマで、石灰をまいて白骨化を早めるとか言うトリックを見た覚えがあるのですが、どうなんでしょう。。
 そういえば昔、なんかの本で骨格標本を作る特集を読んだ覚えがあるなぁ。BE-PALだったかな?

参考

寺泊郷土史 (1979年)

  • 著者/訳者:青柳 清作
  • 出版社:歴史図書社 ( 1979-11 )
  • -:286 ページ
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