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「レジャーの時代」のススメ

 「レジャー」という言葉を御存知だろうか。英語の「leisure」は「余暇」や「ヒマな時間」という意味の言葉だが、日本語で「レジャー」といった場合、それは「余暇の楽しみ」というようなニュアンスを持つ。
 そして「レジャーの時代」とは、その時代の「レジャー」を思い、その時代の「レジャー」を感じることなのである。

弥彦のパノラマタワー

 icoro内ではよく、「レジャーの時代」という表現が使われます。たとえば、以下のような感じで使用されます。

  • 「あー、『レジャーの時代』だわぁ。たまんねー。」
  • 「うほw『レジャーの時代』www」

 さて、ここで言う「レジャーの時代」とは一体何なのか。
 簡単に言うと、それは「かつて流行ったような気がするものを見たときに感じるサウダージ」。その感情というか感覚というかを「NHKアーカイブス」で見た番組にちなんで「レジャーの時代」と呼んでいます。

 「サウダージ」と言われてもポルノグラフィティの曲くらいしか思い浮かばないかもしれませんが、それは以下のような意味合いを持つ言葉です。

単なる郷愁(nostalgie、ノスタルジー)でなく、温かい家庭や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分への郷愁や、大人に成長した事でもう得られない懐かしい感情を意味する言葉と言われる。だが、それ以外にも、追い求めても叶わぬもの、いわゆる『憧れ』といったニュアンスも含んでおり、簡単に説明することはできない。
サウダージ – Wikipedia

 説明を読んでもなんか分かったような分からんようなビミョーなもやもやした感じになるかもしれません。まあウィキペディアでその意味が説明されちゃうほどビミョーな感情を表した言葉ということです。

 裏を返せば、サウダージの中でも特に「レジャー」に関係したものが「レジャーの時代」に分類されるとも言えましょう。

「レジャーの時代」を感じるものの例

 ぐだぐだ説明を読むよりも、感じるのが一番。ここではいくつかの「レジャーの時代」を感じる写真を紹介しましょう。

マリンドリーム能生

 かつてファミリーレストラン(あえて「ファミレス」とは略さない)や喫茶店などのテーブルの上で良く見られた「占い機」(正式名称はなんだろう?)。撮影地は新潟県糸魚川市能生にある「マリンドリーム能生」。
 これはコインの投入口が星座別になっていますが、ゲージを星座に合わせるタイプも記憶にあります。「コイン入れる場所なんか占いと絶対関係ないだろ」などという余裕のない発言をしないのが大人というものです。

寺泊水族博物館2008冬

 続いて、パソコンはおろか、ワープロすら存在があやしい時代に描かれたであろう看板。こちらはicoroが年に2回は行くという新潟県長岡市にある「寺泊水族博物館」で撮影。
 ウーパールーパーが大人気になった1980年代に書かれたものと思われますが、あえて「アホロートル」という正式名称を大きく出し、「ウーパー・ルーパー」をカッコ書きにしているあたりに水族館として譲れないものを感じることが出来ます。
 icoroは寺水(寺泊水族博物館)に毎年行っており、ほとんど定点観測状態になっていますが、そこまで寺水が好きなのは、そこが「レジャーの時代」そのものだからという理由もあったりなかったり。回遊水槽脇にある未来の水族館予想図は一見の価値があり。

弥彦のパノラマタワー

 往事は多くのカップルや家族が時を過ごしたんだろうと思わせる空間。こちらは弥彦山頂の「パノラマタワー」で撮影。かつてこの部屋はレストランだったようですが、現在は添乗員・乗務員室として使われているようです。(それにしたってどれほどの人数が利用するのか……)

 弥彦ロープウェイ周りも「レジャーの時代」を感じることが出来る場所のひとつです。パノラマタワーはもちろん、クライミングカー、ロープウェイ、展望食堂……どこをとっても「レジャーの時代」がそこにあります。数年前の新年に展望食堂で甘酒を飲んだときの雰囲気は神がかっていました。

「レジャーの時代」を楽しむ

 「レジャーの時代」と「オワコン(終わったコンテンツ)」は紙一重なところがあります。
 ある人から見れば寺水やパノラマタワーなどはオワコンかもしれません。そこを訪れて、ただ単に「ぼろい……古い……」と思うだけだと、それは「オワコン」になってしまいます。

 では、「レジャーの時代」と「オワコン」の違いは何か。

 それは、「想像すること」にあると思います。「レジャーの時代」を感じるには少しの想像力が必要とされます。といっても、決して難しいことではありません。
 たとえば、パノラマタワーが出来たとき、そこには多くの人が訪れたことでしょう。その高さに子どもたちは恐怖し、また、歓声を上げたことでしょう。その往事の活気を想像し、今は人気のないレストランだった部屋にその当時の気配を感じるのです。はげかけた看板の文字が新品だった頃を思い、歓声を上げていた子どもたちの今を思うのです。

 そして、そこであなたが「レジャーの時代」を感じたという思い出もまた、誰かの、そして、あなた自身の「レジャーの時代」の一部になってゆくのです。

Have a nice “LEISURE AGE”!

 さて、icoroが使う「レジャーの時代」という言葉の意味を多少なりとも感じることが出来たでしょうか。
 何枚かの写真を例としてあげましたが、なかなかピンと来ない方もあるかもしれません。「レジャーの時代」という感覚は、その人がこれまで見聞きしたものによって大きく変わるものだと思います。
 もしあなたがある場所に立って、「懐かしくて、温かくて、寂しい」、そんなふうな感覚に捕らわれたなら、あるいはそこに、あなたにとっての「レジャーの時代」があるのかもしれません。

 それでは皆様、良い「レジャーの時代」を。

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サウダージ

  • メーカー:ソニーレコード
  • カテゴリ:CD
  • 発売日:2000/09/13

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