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テクノミュージアム第7回企画展に行ってみた

 技大(長岡技術科学大学)の中にあるミュージアム「テクノミュージアム」で第7回企画展「まちをつくる工学」が始まったという案内を頂いたので行ってみました。

テクノミュージアム 第7回企画展

 「テクノミュージアム」は技大内にある、技大で研究されているものを紹介する博物館(というか資料館)という感じの施設です。

テクノミュージアム オープニングセレモニー

 以前はちょっと分かりにくい場所にありましたが、昨年4月に現在の場所に移動してきて、大変アクセスしやすくなりました。

第7回企画展の展示品

テクノミュージアム 第7回企画展

 というわけで、第7回企画展。今回のテーマは「まちをつくる工学 〜安心・安全・快適なまちづくりのために〜」。展示品を軽く紹介。

ゆきの家

テクノミュージアム 第7回企画展

 「ゆきの家」は家の中に雪室を作り、雪を食品の冷蔵や家の冷房などに活用しようというものです。写真はその家の模型。技大の上村靖司准教授が携わっている研究です。

テクノミュージアム 第7回企画展

 この模型は各階を外して中を見ることが出来ます。これは一番下の階の構造。写真手前の雪(発泡スチロール)が入っているところが雪室です。冬の間にここに雪をため込んでおきます。(無造作に置かれている配管はご愛敬。)

テクノミュージアム 第7回企画展

 これは雪室の上の階の様子。夏は黄緑の配管を通して冷気が室内に運ばれ、室内で温まった空気は赤い配管で雪室に戻される、ということのようです(たぶん)。

 熱源(というか冷源)は雪なので、電気代は空気を循環させるファンの分しかかかりません。10畳のDK、6畳と8畳の和室、合計24畳ある家でひと夏運転しても電気代は1,000円ほど。電気代だけを見るとかなり家計に優しいですね。
 ただ、この設備の導入には400万円ほどかかるんですよね。仮にエアコンの電気代を3台で1万円/月くらい、かつ、年間にまあだいたい3ヶ月くらい冷房を使うとすると電気代は3万円/年くらい。400万円あれば、エアコンを133年使うことができるということになります。うーむ。。まあ、新築するときに最初から組み込んじゃえば良さそうですね。
 あと、当たり前ですが雪が大量に降る地域でなければ意味がありません。

音で鳥とすみわけるまちづくり

 以前、長岡駅はムクドリのねぐらになっていて(今でもそうなんだろうか)、夕方になると大量のムクドリの鳴き声やら糞やらの被害が問題になっていました。それを解決する方法として、鳥が危険にさらされたときに出す鳴き声(遭難音)を大音量で流す、というものがあります。遭難音がするとその場所は危険だと思って鳥は来なくなるみたいです。
 しかし、常に遭難音を大音量で流していたら、それはそれで騒音になるわけで、悩ましい問題です。

テクノミュージアム 第7回企画展

 そこで「パラメトリック・スピーカー」。ある一方向にしか音が届かない超指向性スピーカーです。簡単に言うと「音のレーザー光線が出せる」という感じ。技大の山本麻希助教が携わっている研究です。

 このパラメトリック・スピーカーを使って遭難音を鳥のねぐらに向けて照射しておけば、鳥はいなくなるハズ。また、このスピーカーの音は一方向にしか進まないため、周囲にはほとんど遭難音が聞こえません。
 なかなか良さそうに思えますが、ただ、導入に結構費用がかかるようなので、鳥追いにそれだけの費用をかける価値が見いだせるか、というところが問題でしょうか。

 超指向性の音を体感出来るというだけでも結構面白いかも。
 あと、キーンと言うモスキート音のような高い音が聞こえると思いますが、これはスピーカーの性能によるものだそうなので、我慢して下さい。。パラメトリック・スピーカーは超音波を使ってるそうなので、そのせいかと思われます。

コンクリート構造物の耐震設計・耐震補強

 3/11に発生した東日本大震災では、中越地震の時に比べて早く新幹線が走り始めた記憶があると思いますが、これは耐震技術の進歩のたまものらしいです。技大の田中泰司助教はその耐震技術に関する研究をしています。

テクノミュージアム 第7回企画展

 展示されている黒いすだれのようなものは軽くて丈夫な「炭素繊維シート」。
 中越地震後の補強工事の映像なんかでなんか柱に巻き付けてるのを見て、「そんな薄っぺらいシート巻き付けただけで大丈夫なん?」と思った方もいくらかいるかと思いますが、これがその巻き付けていたものの正体。

 高速道路や新幹線の橋脚部分などはすでにこういったもので耐震補強がなされており、それが東日本大震災で構造物の被害が少なかった一因とも言えるそうです。こんな薄っぺらいもんでコンクリの柱を補強出来るとか、あんまりピンと来ませんね。。

ついでに

テクノミュージアム 第7回企画展

 今回の企画展では、来年オープン予定の「アオーレ長岡」の完成模型も展示されています。写真では平成24年1月オープン(予定)となっていますが、新潟日報によると震災の影響で4月以降になるみたいです。

 長岡市の市役所機能が入る複合施設「アオーレ長岡」のオープンが、当初予定の2012年1月からずれ込むことが20日、分かった。発注した工場が東日本大震災で被災するなどして材料が入る見通しが立たないためで、12年4月以降になる見通しだ。
新潟日報社 netpark ::: 「アオーレ長岡」オープン延期
テクノミュージアム 第7回企画展

 こちらがその模型。なんか、工事中のような完成模型。。

テクノミュージアム 第7回企画展

 中が見えるように一部カットしてあるようです。これが完成の状態なのかとも思ったのですが、アオーレ長岡の完成予想図と見比べてみたりしてみた感じでは、ここにこんな穴は空いていないようです。

テクノミュージアム 第7回企画展

 正面入口から。中までちゃんと作り込まれているようです。ファイバースコープなんかで中を見られたら面白いかも。

近くに行く用事があればどうぞ

 正直な感想を言うと、わざわざ技大まで行ってみるほどではないかなぁ、という感じです。
 超指向性スピーカーを体感したい人はおすすめ。技大の食堂行ってみたい、とあこがれを抱いている方は、ついでにテクノミュージアムにも行ってみると良いかも。展示されているものをただ見るだけよりは、説明してもらった方が面白いです。スタッフが常駐していると思うので、声をかければ説明してくれます。

 また、今週末の4/23(土)は「技大桜散策祭」が開催されます。今年も桜散策祭に合わせて学食で特別メニューが提供されるそうなので、桜をみて、学食でお昼を食べて、テクノミュージアムを見て回ったりするとそこそこ充実した日になりそうな予感です。

テクノミュージアム

場所長岡技術科学大学 物質・材料 経営情報1号棟1F
新潟県長岡市上富岡町1603-1
開館時間9:00-19:00(平日)
入館料無料

参考

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