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カイギュウ類の化石の発見についての報道

 2006年12月5日に長岡市妙見町で発見されたカイギュウ類の化石についての報道ですが、長岡市立博物館のウェブサイトで、報道の誤りが指摘されています。

ニュース報道にはそういったものが付きものなのでしょうが、主なものを列挙しておきます。
長岡市妙見町産出のカイギュウ(海牛)化石について

 「誤解を招く恐れのある記述」として、長岡市立博物館のウェブサイトでは次のものが上げられています。

  • 絶滅した海生ほ乳類「カイギュウ(海牛)」:海牛類は絶滅していません。ジュゴンやマナティが現存しています。
  • 一体のほぼ完全な形:上にもあるとおり、肋骨は大量に採取しましたが、記事が掲載された2007年2月9日現在で、そのほかの部位で確認していたのは椎骨と前腕骨だけです(2007年2月17日時点でも変わりありません)。
  • クジラにはない長さ約50センチの前腕の骨を確認:鯨類にも前腕骨はあります。
  • 第3紀:第三紀と表記します。
  • 「ステラー」属の種、「タキカワ」属のカイギュウ:ステラーカイギュウとタキカワカイギュウのことと思われますが、これらの種はヒドロダマリス属に属します。“ステラー属”や“タキカワ属”はありません。
  • 出土:土器や石器では“出土”ということばを使いますが、化石では“産出”や“発見”が一般的です。

 こういうのを見るといつも疑問に思うのですが、どうして出してもない情報が公然と出てくるんでしょうかねぇ。あるものがなくなったり、一部が全部になったり。
 速報性が重んじられるばかりに正確さにかけてしまうのは、仕方のないことなのでしょうか。特に新聞やテレビでは、最初にバッと報道するものの、その後の細かいことはあまり報道されません。テレビや新聞は絶対ではありません。そのことを心にとめておく必要があると思います。

 一方で、人のふり見て我がふり直せ。自分も気をつけたいものです。

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